2026 年 95 巻 2 号 p. 90-94
蛍光ナノダイヤモンド中の窒素‐空孔(NV)中心は,室温動作可能な量子センサとして注目されている.本稿では,蛍光ナノダイヤモンドを用いた量子センシング研究の進展を概観し,生体計測への応用を中心に紹介する.細胞や線虫などの生体内温度計測をはじめ,磁場・化学環境センシングの可能性,さらにオンチップデバイスとの融合を取り上げる.スピンコヒーレンス時間の向上などを目指した高品質材料の開発やその課題と展望についても論じ,生命科学などへの新たな展開を展望する.