1990 年 59 巻 12 号 p. 1604-1617
近年進展の著しいMBE, スパッタなどの物理蒸着法により作製された積層膜について,その作製法と成長機構,作製された膜の結晶完全性の評価と機能特性について解説する.原子スケールで構造の制御された積層膜を作製するためには,積層された各層間の拡散をいかに抑えて望みの相を合成・積層させるかが重要なかぎとなる.本稿では,このような観点から一般的な問題点,ならびにPd-Te系金属問化合物とBi系酸化物超伝導体の積層膜作製における問題点を取り上げ議論する.