半導体デバイスの微細加工を推進するリソグラフィー技術は転換期を迎えつつある.これまで量産で用いられてきた光リソグラフィーは微細加工限界が見えつつあると同時に,限界を打破するための種々複雑な新規技術開発が必要となり,装置,材料およびプロセスのコスト上昇が激しく,産業としての採算性に疑問がもたれている(リソグラフィー危機).これに対し,電子線リソグラフィーは高解像度かつプロセスの容易性から,先端デバイス開発や少量多品種生産などでは使われていたものの,スループットの低さから本格的には導入されなかった.しかしながら,ステンシルマスクを用いる電子線投影リソグラフィー (EPL: Electron-beamprotection Lithography) の開発実用化にめどが立ちつつあり,光リソグラフィーに代わる次世代リソグラフィー技術の本命として期待が大きくなっている.中でも低加速電子ビーム等倍近接転写 (LEEPL: Low Ertergv Electron Beam Proximity Projection Lithography) に対する期待は非常に大きく,本稿では最新のLEEPL開発状況に関して報告する.