主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
近年,人生100年時代と言われ,シニア世代の働きぶりに注目されている。本研究では,企業組織の最前線からリタイアしたシニア世代の積極的な社会活動に着目し,努力と報酬の不均衡性が,メンタルヘルスへ及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。ボランティア団体もしくは企業で活動するシニア世代の男性48名と女性56名の合計104名を対象とし,「これまで仕事をしてきた中でうれしかったメッセージ」について,自由記述を行ってもらい,努力ー報酬不均衡性と精神健康度との関連について検討した。平均年齢は66.27歳(SD=8.68)であった。コーディングの結果,頻出上位には「ありがとう」「元気」「言う」などの語が見られた。高出現頻度の単語60語の使用頻度を対象に,努力ー報酬不均衡性と精神健康度を軸とした対応分析を行った。その結果,高努力低報酬で精神健康度が高い場合には「参加」「外部」「行う」「対応」といった言葉が特徴として布置された。この結果より,努力量に比して報酬が少ない場合においても,声掛けの内容によっては精神健康度を高めることが示唆される。