日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-044
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3. 社会・文化
愛着不安はDaVやDVの先行要因となり得るのか?―2つの親密な関係の縦断調査による検討―
*金政 祐司古村 健太郎浅野 良輔荒井 崇史
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抄録

本研究は,愛着不安と親密な関係における暴力との因果関係を明らかにすることを目的に,恋愛関係ならびに夫婦関係の2つの親密な関係に対して縦断調査を実施した。愛着不安が配偶者からの暴力(Domestic Violence; DV)ならびに恋愛関係における暴力(Dating Violence; DaV)を増大させることは,これまでいくつかの研究において報告されてはいるものの,それらの研究の多くは横断研究であることから,愛着不安とDaVならびにDVのどちらが先行要因なのかについては明確に示されたとは言い難い。それゆえ,研究1では,現在,恋人のいる若年層を対象に6ヶ月間の縦断調査を,研究2では,成人期前期ならびに中年期の既婚者を対象として2年間の縦断調査を実施した。交差遅延効果モデルによる分析の結果,双方の研究において,愛着不安は後の親密な関係における暴力の増大を予測することが示された。それらの結果について,成人の愛着理論の観点から議論を行った。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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