日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-063
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3. 社会・文化
自尊心と思いやり目標と自己イメージ目標が安心さがしツイートに及ぼす影響
*長谷川 孝治古里 由香里
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抄録

安心さがしとは,重要他者に対して自分のことが大切かを過度に確認することである。我々の研究では,SNSにおいてフォロワーに対する安心さがしツイート(RT)が存在することが示された。本研究の目的は,どのような人がRTをするかを思いやり目標(CG)と自己イメージ目標(SG)の観点から検討することである。ネット会社のモニタへの2波のWeb調査を行った。RT頻度に対する自尊心(SE),CG,SG,1次及び2次の交互作用項の影響を検討した結果,SGが正の,CGが負の影響を示した。対人関係において自己イメージを良く維持する目標を持つ人ほど,また,関係を大切にする目標が低い人ほど,RTをすることが示された。また,2次の交互作用が有意であり,SEが低い人で,SGが低く,CGが高いほど,RTをしないことが示された。さらに,2ヶ月後(T2)のRT頻度を従属変数とした分析の結果,同様の交互作用が有意であり,CGが低い人において,SEが高く,SGが高いほど,T2にRTをし,逆に,SEが低く,SGが高いほど,T2にRTをしないことが示された。これらの結果から,SEが低い人のRTは,短期的にはCGの高さによって抑制され,長期的にはSGの高さによって抑制されることが示唆された。

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