日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-098
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3. 社会・文化
TEAによるキャリア転換経験の分析―分岐ゾーンにおける人と記号の調整過程に焦点をあてて―
*宮下 太陽サトウ タツヤ
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抄録

TEA (複線径路等至性アプローチ) を用いてキャリア転換における分岐ゾーンでの人と記号の相互作用に着目して分析を行った。TEAは文化心理学(Valsiner, 2007)を土台とする質的研究の一手法であり,対象選定理論としてのHSI(歴史的構造化ご招待),径路を描き出す手法であるTEM(複線径路等至性モデリング),変容・発生を捉える理論であるTLMG(発生の三層モデル)の鼎立による統合的なアプローチである(サトウ,2015;安田,2015)

本研究では多様な径路の収束点である等至点(EFP)(サトウ,2015)として,「プロとしてキャリア転換する」という事象を設定し,当該事象を経験した方を8名ご招待した。8名のうち性別は男性5名,女性3名であり,年齢層は60代1名,50代2名,40代4名,30代1名であった。

分岐ゾーンに関する語りを記号として分析したところ,大きく3つの分類に分けられた。まず組織のレベル(マクロレベル),次に家族のレベル(メゾレベル),そして個人のレベル(マイクロレベル)である。各層の記号が,多様に絡まりあってキャリア転換という本人の選択に影響を与えていることが示唆された。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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