日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: PC-140
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3. 社会・文化
友人関係に対する接近動機と回避動機が大学生の友人関係に及ぼす影響
*小林 智之神山 貴弥
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抄録

本研究は,友人関係の質や人数に対して,友人と良い関係を築こうとする接近動機と悪い関係を避けようとする回避動機が及ぼす影響について検討した。大学生121名を対象に,接近動機と回避動機についてElliot, Gable, & Mapes (2006) のFriendship Goal Itemsを日本語に訳した友人関係目標の項目と日本語版BIS/BAS尺度を,友人関係の質について基本的心理欲求充足尺度の下位項目の関係性と,人数について特に仲のよい友人の数を尋ねた。それぞれ重回帰分析とポアソン回帰分析を有意水準5%で行った結果,友人関係の質について,友人関係目標の項目では接近動機に正の効果(b=0.28, SE=0.04)と回避動機に負の効果(b=-0.09, SE=0.04)が,日本語版BIS/BAS尺度では行動抑制システムに負の効果(b=-0.28, SE=0.08)と行動活性化システムの報酬反応に正の効果(b=0.39, SE=0.12)が示された。友人の人数について,友人関係目標の項目では接近動機に正の効果(b=0.35, SE=0.04)が,日本語版BIS/BAS尺度では行動抑制システムに負の効果(b=-0.23, SE=0.07)が示された。本発表では,友人関係における接近動機と回避動機の効果の違いについて議論する。

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