主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
パーソナリティと非行少年との関わりから得られる役割満足感(ロールフルネス)が非行少年イメージに与える影響を探求する。
非行少年や様々な問題を抱える少年の自立支援や更生保護を行うボランティア団体BBS (Big Brothers and Sisters) の関東,関西,中部地方の大学に所属する学生会員102名(男性20名,女性82名,不明1名,平均年齢19.83歳,SD=1.37)に質問紙調査を実施した。日本語版HEXACO-60尺度(Wakabayashi, 2014),ロールフルネス尺度(Kato & Suzuki, 2018),非行少年に対するイメージ尺度(榊原,2018)を使用した。ロールフルネスと非行少年イメージについては,BBS会員となる前と現在について回答を求めた。
96名の回答を分析対象とし,post群を変数とした構造方程式モデリングを行った。一定の適合度が認められた(CFI=.981,RMSEA=.053)。BBS活動や非行少年への興味や関心が広がり,ロールフルネスが向上することで知識や経験値が深まり,非行少年の身勝手さ,規範意識の低さを示す非社会性,非行少年の感情や特性である被害思考性について注目するようになった。特に被害思考性はボランティア活動の経験によって新たに得た視点であることが分かった。