主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
本研究では,英語の学習観を,「英語ができるようになるということはどういうことか」に対する信念とし,尺度の作成と,既存の学習方略との関連を調査した。まず予備調査として大学生50名に対して,「英語ができるようになるとはどういうことか」について自由記述での回答を求めた。その後これらの回答をKJ法により分類したところ,6つの英語習得イメージ因子が想定された。その後本調査として,英語学習観と学習方略との関連を,大学生94名を対象とし,質問紙による調査を行った。英語学習観に関して,探索的因子分析の結果「意欲・積極性」「選択肢拡大」「英語接触」「素質重視」の4つの因子が見出された。また,英語学習に対する習得イメージと学習方略との関連においては,「選択肢拡大」と「音声記憶方略」の間,また「素質重視」と「反復方略」,「体制化方略」との間にそれぞれ正の相関があった。「意欲・積極性」と「英語接触」はどの学習方略とも関連がなかった。赤松(2017)において,「音声記憶方略」と「イメージ化方略」のみが学業成績と関連があるという結果が出ているため,本研究においては「選択肢拡大」のみが学業成績と関連があると示された。