主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
慢性痛は,発症率の高さ,長期的治療の必要性から健康上の重大な問題といえる。その発症,維持には生物・心理学的メカニズムの複合的な関与が示唆されており,幾つかの心理学的介入による有効性が報告されつつある。これらのアプローチは痛みそのものを対象としたものから痛みに関する認知,思考を扱うものまで多岐にわたるが,マインドフルネス,催眠療法,EMDR,運動療法といった心理・身体的介入には,痛みを回避するのではなく,そこに「能動的に向き合う」という共通項を見出すことができよう。そこで本シンポジウムでは,不快な身体の痛みに対する態度と慢性痛の知覚,認知プロセスの関連性を多角的に検討する。話題提供の先生方は上述のアプローチによる痛みの介入を専門とされており,それぞれの立場から理論と効果をご紹介いただく。これらの共通点,相異点からみえる慢性痛治療の中核と今後の方向性について,指定討論者の先生方とともに議論を行う。