日本心理学会大会発表論文集
Online ISSN : 2433-7609
日本心理学会第84回大会
セッションID: SS-034
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公募シンポジウム
「DVを防ぐ」とはどういうことか?;一次予防プログラムの深化に向けて
相馬 敏彦杉山 詔二古村 健太郎山中 多民子相樂 直子白岩 祐子
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抄録

恋人や配偶者といった親密な関係の中で生じる暴力(intimate partner violence,以下IPV)を「未然に防ぐ」アプローチとして一次予防プログラムがある。そこでは,受講者にIPVの実状を伝えるだけでなく,親密な関係でどのように暴力がエスカレートするのかについても解説し,対処に必要なスキルの醸成,さらに「よき第三者」の育成を図っている。

本シンポジウムでは,始めにこのプログラムが,受講者全般に対してどのような効果をもつのかを検証した結果を報告する。次に,プログラムの受講によって,交際中の受講者の関係性がどのように変容しうるのかについての実証結果を報告する。これらの結果を踏まえて,本当に「未然に防ぐ」ことが可能かどうかを議論する。

その後,関係性の暴力の問題につきまとう課題として,IPV被害者と加害者の責任の非対称性を踏まえてどのようにプログラムを構成すべきか,という問題について議論したい。

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© 2020 公益社団法人 日本心理学会
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