主催: 日本心理学会第84回大会準備委員会(東洋大学)大会長 大島尚
会議名: 日本心理学会第84回大会
回次: 84
開催地: 東洋大学白山キャンパス
開催日: 2020/09/08 - 2020/11/02
恋人や配偶者といった親密な関係の中で生じる暴力(intimate partner violence,以下IPV)を「未然に防ぐ」アプローチとして一次予防プログラムがある。そこでは,受講者にIPVの実状を伝えるだけでなく,親密な関係でどのように暴力がエスカレートするのかについても解説し,対処に必要なスキルの醸成,さらに「よき第三者」の育成を図っている。
本シンポジウムでは,始めにこのプログラムが,受講者全般に対してどのような効果をもつのかを検証した結果を報告する。次に,プログラムの受講によって,交際中の受講者の関係性がどのように変容しうるのかについての実証結果を報告する。これらの結果を踏まえて,本当に「未然に防ぐ」ことが可能かどうかを議論する。
その後,関係性の暴力の問題につきまとう課題として,IPV被害者と加害者の責任の非対称性を踏まえてどのようにプログラムを構成すべきか,という問題について議論したい。