これまで，ソーシャル・サポートは心身の健康に寄与する重要な要因として注目され，社会心理学，臨床心理学，健康心理学など，様々な領域から盛んにアプローチが行われてきた。その知見は，日常の社会場面から疾病予防まで応用可能性が高いにも関わらず，近年さらなる研究や実践への展開は少ない。そこで本企画では，これまでのサポート研究をベースに新しい視点を積極的に取り入れた次世代のサポート研究や試みを紹介し，今後のサポート研究への発展可能性を議論したい。特に，インターネットやSNS等の普及によって対人関係のあり方が多様化している現代において，従来のサポート研究で示唆されている知見や理論の応用可能性と限界から今後の課題を考えていきたい。かつ，今後サポート研究に興味を持ち，サポートに焦点を当てた実践を行っていきたい研究者や実務家たちに有益な知見を提供することを目的とする。
