日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第15回秋季シンポジウム
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長鎖アルキル基を有するシロキサンオリゴマーの自己組織化によるナノ構造ハイブリッド薄膜の合成
下嶋 敦黒田 一幸
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p. 115

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抄録
アルキルシランに3つの-OSi(OMe)3基が結合した構造の新規シロキサンオリゴマー[RSi(OSi(OMe)3)3, R=alkyl, CnTTMSS]の加水分解·縮重合反応により透明なハイブリッド薄膜を合成した。得られた試料のXRDパターンには、アルキル鎖長に応じて2.5—3.5nm程度のd値を示す鋭い回折ピークと複数の高次回折ピークが見られた。また、29Si MAS NMRによりシロキサン骨格の形成が確認され、生成物は層状シリカと有機層からなる多層構造を有することがわかった。薄膜形成前の前駆体溶液の29Si NMRスペクトルには主としてT2およびQ2ユニットに帰属されるシグナルが観測された。トリメチルシリル化した試料のMSスペクトルより環状4量体の形成が確認された。溶液中におけるこのような分子構造の変化は、分子内縮合およびシロキサン結合の開裂により起こるものと推定される。
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©  日本セラミックス協会 2002
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