アジャイル型開発手法(アジャイル型)の適切な選択はプロジェクトの成否に影響するため,アジャイル型の有効領域の理論的研究が必要性とされている.アジャイル型では反復的開発により,曖昧な要求等による手戻り作業の兆候を早めに察知できるが,反復型開発の調整工数(オーバーヘッド)が追加工数となる.本研究では,従来の反復型開発の工数計算モデルに加え,手戻り作業の発生の抑制効果を導入し,アジャイル型の有効領域をより総合的に考察できる基礎数理モデルを提案する.数値実験により,手戻り発生の抑制効果が大きいほどアジャイル型の有効領域が広くなるが,有効領域はオーバーヘッドの影響をより強く受ける場合があることを示した.