日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第15回秋季シンポジウム
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チタンおよびバナジウム含有シリカメソ構造体の結晶化の速度論的解析
大倉 利典野島 亜浩牛尾 一博門間 英毅
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p. 119

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抄録
界面活性剤の分子集合体をテンプレートとして合成されたメソポーラスマテリアルの細孔壁はアモルファス構造であるため、ヘテロ原子を構造中に取り込むための制約がないので、ミクロにはアモルファスであるが、骨格中に導入された遷移金属が原子状に分散され、細孔径の制御されたメタロメソポーラスマテリアルが得られることは大変興味深い。本研究では、触媒活性のあるTiおよびVを導入したシリカメソ構造体を合成し、結晶化の速度論的解析を行なった。本稿ではTiの結果を示す。修正Kissingerの式より求めた結晶化の活性化エネルギーは、界面活性剤添加試料では489kJ/mol、無添加試料では278kJ/molとなり、メソ多孔体の方が高い値を示した。細孔の存在は活性化エネルギーを高くすることがわかった。Tiを含有していない試料では、界面活性剤添加試料では332kJ/mol、無添加試料では242kJ/molとなり、Ti含有試料の方が高い活性化エネルギーを要することがわかった。メソ多孔体は細孔構造を維持している間はアモルファスであるが、細孔の崩壊とともに結晶化が急速に進行すると考えられる。
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©  日本セラミックス協会 2002
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