抄録
MOCVD法によりIrO2-YSZ(イットリウム安定化ジルコニア)ナノコンポジット膜を合成した。得られたコンポジット膜は直径数nmの球状粒子からなり、基板との密着性も良く、空隙の無い良好な界面を形成していた。YSZ/コンポジット膜(電極)界面の界面の電気伝導率は、いずれの試料でもPt電極場合より10∼100倍高い値になった。コンポジット電極の界面電気伝導率は、電極中のIrO2量から予想される値よりも高く、18mol%IrO2でIrO2電極と同程度の値となった。これはコンポジット化によって数nmの極めて微細な粒子が生成したため、固体電解質/電極/ガスの三相界面が飛躍的に増大し、界面抵抗が低減したものと考えられる。