抄録
本研究では, AlNポリタイポイドを炭素還元雰囲気下で熱処理することにより, AlN多孔体の作製を行うことを目的とした. SiO2を10wt%添加して作製した焼結体は, 板状構造のAlNポリタイポイド多孔体である. 熱処理後の試料の微構造は, AlNポリタイポイド板状結晶の概形はほぼ保持されており, XRDによる構成相の同定の結果, 熱処理するに伴って, ポリタイポイドからAlNの単一相に変化することが明らかとなった. 熱伝導率は熱処理時間とともに増加し, 最大値50W/mKを示した. また, 誘電率は約3となり, 低い値となることがわかった. 以上の結果より, AlNポリタイポイドを還元窒化することにより高熱伝導率, 低誘電率のAlN多孔体が作製できることがわかった.