抄録
本研究ではCVD法により、大表面積と優れた透光性を有する多孔質ガラス板の外表面および細孔内表面に酸化スズ(SnO2)を担持することで、透光性を有する多孔質導電体を開発した。開発された多孔質導電体は外表面に沿って10-1Ωcmオーダーの抵抗率を持っており、面間抵抗は300kΩとなった。また、SnO2を担持後の多孔質ガラスでは、透光性が確認された。さらに、細孔径が元の多孔質ガラスの細孔径よりやや小さくなったが、比表面積を大きく損なうことがなかった。結果として、これらの多孔質導電体を光電化学領域の電極として活用でき、光電デバイスの変換効率を向上させることが大いに期待できると考えられる。