抄録
ゾルゲル法は化学的均質性がよく、低温で合成可能であるなどの利点を持つが、通常の金属アルコキシドを用いた方法では乾燥段階での亀裂発生の問題化からバルク状ガラスの合成は難しい。本研究では、コロイド状のシリカ粉末を原料に用いたコロイダルゾルゲル法により光ファイバの母材となるガラスの合成を試みた。TMAH、界面活性剤、グリセリンを含む水溶液にシリカ粉末を濃度 60~70%で分散させたゾルを用いた。あらかじめゾルをp H11以上に調製することで、ギ酸メチルを添加するとすぐにゲル化が起こることがわかった。このように作製したゲルを乾燥、精製後、He 雰囲気中1500℃で焼結するとほぼガラス化した。