抄録
リン酸カルシウム(β-TCP:Ca_3(PO_4)_2)を用いた場合、粉砕処理時間が水熱固化に及ばす影響を検討した。β-TCPを乾式ボールミル粉砕処理(t=0~8h)した後、30MPaで一軸加圧成形し、180℃で6h水熱処理を行った。水熱処理により、水酸アパタイト(HAp:Ca_<10>(PO_4)_6(OH)_2)が生成し、細孔径が小さくなった。曲げ強度は、粉砕処理時間に伴い増加し、粉砕処理時間 2h の時に最大曲げ強度値 23.6MPaに達した。曲げ強度増加の原因としては、粉砕処理による成形体の充填率の増加、及びβ-TCPから生成する針状 HAp の微細化により HAp 結晶同士の絡み合いが複雑化したためと考えられる。