抄録
酸化銅(l)含有ガラスの低融性に着目し、Cu^+イオンの安定性を評価するとともに、銅リン酸塩ガラスの機械的性質の測定を行い、このガラスの代替無鉛ガラスとしての可能性をガラス組成の点から検討した。この結果、ガラス転移温度とヤング率はCu^+イオンの増加とともに減少することがわかった。これは、Cuイオンが2価から1価に変化したことによるガラス構造の変化が原因であると考えられる。またCu^+イオンの割合はZnO系ガラスのほうがBaO系ガラスよりも大きいことがわかった。これは、 亜鉛の電気陰性度が大きくガラスの塩基度を低下させるためであると考えられる。