抄録
ワイドバンドギャップ(3.37 eV)を有し、室温でも励起子(束縛エネルギー:約60 meV)が安定に存在し得る酸化亜鉛(ZnO)は、室温紫外レーザー材料として注目されている。我々の研究グループは、線材状のZnOセラミックスを通電加熱すると、その表面に種々の形態を有するZnO結晶が成長する現象を見出した。得られるZnO結晶の形態は通電加熱時の雰囲気や温度に深く関係する。最近、ZnO線材にアルミニウム(Al)粉末を堆積させ通電加熱を行うと、Al堆積部がテルミット反応による発熱のため発光し、その発光部分からZnO結晶群が極めて大きな速度で成長することがわかった。本研究では、通電時の電流密度と酸素分圧がZnO結晶群の成長に及ぼす影響を調査した。