抄録
トリエトキシシリル基を有するクマリンによる、ゼオライトLの細孔入口の選択的化学修飾について検討した。そのクマリンのジクロロメタン溶液中に、脱水処理したゼオライトL粒子を分散すると、その分子は、クマリン部位をゼオライト細孔の内側に向けて、細孔入口のみに選択的に吸着した。吸着後、そのコンポジット粒子をトルエン中で加熱処理すると、エトキシシリル基とゼオライト細孔入口のシラノール基の間での縮合反応により、シロキサン結合が形成した。その選択的化学修飾は、クマリンを光励起したときの蛍光が、ゼオライト細孔入口部分でのみ観察されることにより、確認した。