九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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当院訪問リハビリテーション終了者の現状
~終了理由における利用者の属性及び介護環境について~
*酒井 祥平
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p. 64

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抄録

【はじめに】

地域包括ケアシステム構築に向けて在宅ケアの充実が重要視される。訪問リハビリテーション(以下訪問リハ)においては、本人の状態を踏まえて家族や多職種との関わりが必要である。今回、当院訪問リハ利用者の終了理由より利用者の属性及び介護環境について調査し検討した。

【対象・方法】

対象は、平成25年1月から平成27年12月までに当院訪問リハを利用する65歳以上の要介護者で終了となった54名とした。訪問リハ終了理由より、目標達成や他サービス移行など在宅継続群(以下A群)22名(男性6名、女性16名、平均年齢81.9歳)、入院・入所又は死亡など非在宅群(以下B群)32名(男性18名、女性14名、平均年齢80.9歳)に分類した。カルテより、①主疾患、②要介護度、③世帯構成、④主介護者、⑤訪問・通所サービス、⑥訪問リハ利用期間について後方視的に調査し、結果は百分率で表した。

【結果】

①主疾患(運動器/脳血管/がん/神経難病/循環器/呼吸器/その他)は、A群(44%/32%/14%/5%/5%/0%/0%)、B群(26%/15%/20%12%/12%/12%/3%)。

②要介護度(要支援1/要支援2/要介護1/要介護2/要介護3/要介護4/要介護5)は、A群(0%/32%/23%/18%/23%/0%/4%)、B群(3%/6%/13%/34%/16%/22%/6%)。

③世帯構成(独居/夫婦のみ/2世代/3世代/その他)は、A群(23%/18%/32%/23%/4%)、B群(25%/28%/34%/13%/0%)。

④主介護者は、A群有20名(91%)(男性25%/女性75%、65歳以上55%、配偶者50%/子25%/子の配偶者25%)、B群有27名(84%)(男性11%/女性89%、65歳以上56%、配偶者63%/子15%/子の配偶者18%/親族以外4%)。

⑤訪問リハのみの利用は、A群(50%)、B群(12%)。サービス併用(訪問看護/訪問介護/通所介護/通所リハ/訪問入浴介護)は、A群(9%/14%/18%/18%/0%)、B群(53%/25%/19%/6%/12%)。

⑥訪問リハ利用期間(3ヶ月未満/3ヶ月以上6ヶ月未満/6ヶ月以上1年未満/1年以上)は、A群(50%/18%/5%/27%)、B群(31%/13%/9%/47%)。

【考察】

運動器が両群共に最も多かったが、B群ではがんや内部障害も多く、多岐にわたっていた。また要介護2が最も多く要介護3以上が約4割を占めていた。可能な限り在宅生活の継続を図るためには、様々な疾病に対するリスク管理と要介護状態の改善や重度化の予防が必要だと考える。世帯構成は両群共に2世代が最も多いが、B群では約半数が独居又は夫婦のみであった。介護を必要とする中で身近に日常生活の相談や援助が得られず、また家族介護力の低下により在宅生活を困難にしていると考えられる。主介護者は両群共に配偶者が最も多く、65歳以上が約半数を占めていた。老老介護も多い中で、在宅生活で最も身近な存在が配偶者であり、介護者の身体的・精神的なサポートも行っていく必要があると考える。訪問・通所サービスはA群では訪問リハのみが多く、利用期間も1年未満が約7割を占めていた。身体機能の向上や生活動作の改善といった目標が具体的な利用者が多く、短期間でニーズ把握と生活機能の向上を図る事が出来ているためと考えられる。B群ではサービス併用が多く、利用期間も1年以上が約半数を占めていた。生活課題の解決が難渋し長期的な介入につながったと考えられ、SPDCAの構築により質の高い訪問リハの提供が必要だと考える。また複合的なサービスでは連携をより図り、共通の目標や支援方法について情報を共有し、より具体的・効果的な支援につなげていく必要があると考える。

【まとめ】

在宅生活の支援では配偶者の重要性を実感した。訪問リハでは画一的なリハを継続するのではなく、本人・家族の多様なニーズに対して多職種連携・協働で生活機能の向上を図っていきたい。

【倫理的配慮,説明と同意】

本報告にあたり本人・家族には説明と同意を得ている。

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