日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第17回秋季シンポジウム
セッションID: 1L06
会議情報

歯科医療に求められる医用材料とナノインターフェイス制御
*石川 邦夫
著者情報
キーワード: 歯科材料, 感染, ナノ
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
 歯科医療に用いられる医用材料は医科医療に用いられる医用材料と比べて、温度差が大きい領域に適用される材料であること、大きな応力が負荷される材料であること、乾湿の変動が大きい領域に適用される材料であること、感染しやすい領域に適用される材料であることなどの特徴がある。これらの特徴は材料と生体とのインターフェイス接合を考えた場合に大きなマイナス要因となるが、一方で歯科医療においても材料と生体とのインターフェイス制御は極めて重要である。例えば1960年代には象牙質と修復物の接着強さは1MPa程度であったが、ハイブリッドレイヤー形成というインターフェイス制御により接着強さを20MPaにまで増大させて修復術式を大きく変えている。歯質接着は歯質と修復物との接着という観点からは、単機能的なインターフェイス制御であるが、歯科インプラントの場合はより多機能的なインターフェイス制御が要求される。腐食の制御、組織親和性の制御、骨伝導性の制御、さらに感染制御が重要となる。骨伝導性に関しては骨様アパタイトの形成が重要条件とされているが骨様アパタイトの形成は歯垢および歯石の沈着ともつながり、その結果として歯周炎が惹起されやすい。チタンインプラント歯周炎は天然歯の歯周炎より早く進行し、症状も重篤化しやすいことが知られている。その原因がチタンの表面機能に由来するものかどうかは必ずしも十分に解明されていないが、少なくともチタンインプラントのインターフェイスに感染制御機能を付与することは歯科インプラントの成否に関わる重要因子であるため強く望まれている。感染制御は歯科医療で用いられる骨補填材においても極めて重要な因子である。歯科領域における骨補填はインプラント適応症例の増大や歯槽骨の増堤などにおいて必須であるにも関わらず現時点における人工骨補填材の利用は限定されている。整形外科領域と比較して感染リスクが限りなく高い口腔内への骨補填材の応用の場合には感染防止を勘案したインタフェイス制御も重要であろう。
著者関連情報
©  日本セラミックス協会 2004
前の記事 次の記事
feedback
Top