抄録
光の波長程度の空間スケールで屈折率がランダムに変化した構造に光が入射すると、通常はその光は散乱されて媒質中を拡散するだけであるが、散乱強度が高くなるにつれて光の伝播、閉じ込め、回帰が起こり、極限的には「光のアンダーソン局在」と呼ばれる光の進行が許されない極限状態へ転移することが知られている。これまで行われてきた多重散乱媒体の研究は主に散乱体として微粒子や懸濁液を用いられてきたが、正確な構造制御と高い屈折率比を得ることは困難であった。本研究では、ゾル_-_ゲル系において相分離とゲル化を競合して起こさせることにより屈折率の高い酸化チタン多孔体を作製・構造制御し、細孔径や気孔率によって散乱強度がどのように変化するかを評価した。