抄録
二酸化チタン単結晶に高速重粒子を照射すると、エネルギーを単結晶に与えながら減速し内部で停止する。イオンから酸化チタン単結晶が受け取るエネルギー(阻止能)が6.1keV/nmを越えると、フッ酸に対して可溶性となる。一般には阻止能は表面で最大となり、深い方向に進むに従い単純に減少していく。ところが、ある範囲内のエネルギーのビームの場合、阻止能は深さ数ミクロンの地点で最大をとることがわかった。この性質を利用すると、内部のみを選択的に加工することが可能である。最初に84.5MeV Cuビームを照射し、次にマスクを介して45MeV Cuビームを照射した後エッチングを行うと、内部ダメージ層はエアーギャップとなりクラッド層に、またマスクパターンを反映した部分はフォトニック結晶のコア層とすることができた。