抄録
培養骨作製には、足場材料上での細胞挙動の解明が必要である。足場材料として、生体親和性が良好な水酸アパタイト(HA)や生体内で序々に骨に置換していくβ-リン酸三カルシウム(β-TCP)が考えられる。しかし、既往の研究で用いられてきたHAやβ-TCPは不透明であり、細胞を生きたまま直接観察することができなかった。このことから、放電プラズマ焼結(SPS)法により、細胞挙動の解明に適したリン酸カルシウム透明体を作製することを考えた。リン酸カルシウムのSPS法での焼結機構を速度論的に解明し、透明体作製に適した焼結条件を検討した。900 ℃から1000 ℃、60 MPa、10 分間のSPSにより、リン酸カルシウム透明体が作製できた。