抄録
Sn系酸化物は大容量のリチウムイオン2次電池電極として期待されている。そのデバイスとしての特性向上のためには形態制御は重要な要素である。本研究では、室温においてSn(_II_)水溶液のpH、原料濃度を調整することで前駆体であるSn6O4(OH)4を析出させ、その後、純水にHClを加えpHを調整した溶媒に前駆体を60℃で浸漬することでSnO結晶を得た。SnO結晶は前駆体を浸漬させる溶媒のpHを変化させることで形態の制御が可能であった。pHが高い条件では幅50-100 μm、厚さ20 μmほどのプレートが集積したピラミッド状、pHを下げることで、幅300 μm以上の樹枝状構造、厚さ約50 nmの板が花弁状に集積した粒子、といった様々な形態をもったSnO結晶が得られた。