抄録
CVD-SiCは高温強度に優れ、さまざまな高温環境で使用されている。SiCは高温で酸化するが、その酸化挙動には、保護性のSiO2が生成するPassive酸化と、SiOガスが生成して激しく損耗するActive酸化がある。active-passive境界を明らかにすることは、実用上極めて重要である。本研究では、1600℃付近の超高温領域におけるSiCの酸化挙動について、雰囲気全圧による酸化挙動の変化を調べた。その結果、ある全圧下では、passive酸化とactive酸化の境界付近に、二つの酸化が同時に進行して、試料が局部的に損耗する酸化領域があることがわかった。酸化による微細構造の変化と酸化速度について、SiCの酸化に関する熱力学的考察を加えながら、発表する。