抄録
立方晶安定化ジルコニア (CSZ) は一般に難焼結性で、得られた焼結体は数μm_から_数十μmの大粒径となり、高温での変形は容易ではない。Y-TZPの超塑性変形とは対照的である。これらの事実は、両ジルコニアの粒内でなくむしろ粒界の性質の違いを示唆している。そこで、8 mol%のイットリアを添加し安定化させた立方晶ジルコニア (8Y-CSZ) に粒内固溶型のTiO2と粒界偏析するAl2O3を添加し、1300 ℃から1450 ℃でクリープ試験を行った。粒界指数と応力指数を無添加の立方晶ジルコニアの高温変形と比較検討し、変形を律速する陽イオンの拡散経路を考察する。