抄録
イットリウム酢酸塩とトリメトキシボランを1,4-ブタンジオール中に懸濁させ、オートクレーブ中でグリコサーマル反応させると、約1μm程度の特異な扁平球状の形態を有するYBO3結晶が直接合成できることは 既に報告している。そこで、本研究では出発物質や添加剤がYBO3結晶の形態にどのような影響を及ぼすかについて検討した。その結果、出発物質としてイットリウム塩化物とトリメトキシボランを用い少量のヘキシルアミンを1,4-ブタンジオール中に添加することで、花弁状の形態を持つYBO3結晶が得られることを見出した。また、本生成物においてc軸方向の結晶成長がab軸方向の成長に比べて阻害されていることが認められた。