抄録
酸化チタン表面では紫外光照射によって、有機物の分解や水分子吸着等のミクロなレベルでの変化が生じることが、様々な手法によって明らかになっている。本研究では、原子間力顕微鏡のモードの一つである摩擦力顕微鏡を用いて、雰囲気制御した状態での光照射による表面摩擦力の測定を行った。大気中では紫外光照射とともに摩擦力が減少し、その後増加する傾向が見られた。また、ドライエア中では大気中に比べてゆっくり増加する傾向が見られた。しかし、ドライ窒素中ではほとんど変化が見られなかった。以上のことから、酸化チタン表面の光誘起表面摩擦力変化は、大気中からの水分子吸着と表面吸着した有機物の酸化分解に関係していることが示唆された。