抄録
高密度プラズマを利用したアーク放電イオンプレーティング法(ADRIP)によって膜厚が3μm以上のPZT厚膜を高速に(~5μm/h)成膜する技術を開発し、MEMSデバイスの駆動源となる圧電マイクロアクチュエータの形成に適用した。このアクチュエータで駆動される共振型2次元光スキャナを試作し、レーザ光のラスタースキャンを基本とするプロジェクションディスプレイの可能性を示した。さらに、複数の圧電マイクロアクチュエータを折り返し構造で連結することにより、非共振駆動によっても従来の共振駆動と同等の振れ角を得ることに成功した。この非共振アクチュエータを垂直走査に用いることにより、VGA表示が可能な2次元光スキャナを試作することができた。