抄録
骨類似水酸アパタイト/コラーゲンナノ複合体スポンジ状多孔体(H/Cスポンジ)を作製した。このH/CスポンジにMG63細胞を播種し、加圧灌流培養を行った。培養後の組織学的検索、総DNA量の定量、アルカリフォスファターゼ(AlkP)タンパク活性、リアルタイムPCRを用いた遺伝子発現の定量を行った。対照にはコラーゲンスポンジを用いた。H/Cスポンジは気孔が大きく、表面は粗であり初期には細胞の伸展が見られなかった。その結果、H/Cスポンジ上の細胞数はコラーゲンスポンジ上の半分であったが、AlkP活性と遺伝子発現は同等以上であった。従って、H/Cスポンジは骨再生の足場材料として有用であることがわかった。