抄録
エアロゾルデポジション法(AD法)はセラミックス微粒子をエアロゾル化し、基板に吹き付け、その基板上に直接セラミックス膜を形成させる方法である。AD法は室温で製膜ができ、数μmから数十μmの膜厚の制御が可能である。近年、AD法を用いて優れた電気的、機械的、光学的特性をもつイットリア膜が得られ、半導体製造装置部材へ適応可能であることが示された。本研究では、このイットリア膜を、半導体の吸着固定に用いられてきた静電チャックの誘電層に適用し、従来達成困難であった絶縁性基板の吸着固定を試みた。その結果、数十μmのイットリア膜をファインピッチ電極上に形成させることにより、絶縁性基板に対して室温、低印加電圧にて高い吸着力を発現させることに成功した。