抄録
酸化チタンを高濃度の水酸化ナトリウム水溶液により水熱処理することで合成される酸化チタン系ナノチューブは、その特異な形状および高比表面積を有することから、光触媒をはじめとし、様々な分野への応用が期待される注目すべきナノ材料である。しかしながら、水熱合成酸化チタン系ナノチューブは耐熱性に乏しいことから、その応用分野が限定されることが懸念されている。そこで本研究では、酸化チタン系ナノチューブへ耐熱性を付与することを念頭に、シリカ修飾酸化チタン系ナノチューブ合成を試み、得られた生成物を種々の方法により特性評価した。併せてシリカ修飾後の酸化チタン系ナノチューブの熱および水熱安定性等を調査した。