日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第21回秋季シンポジウム
セッションID: 3G03
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ランタンシリケート系新規SOFC電解質の相安定性評価のための分光法の適用
*嶺重 温中尾 孝之小舟 正文矢澤 哲夫吉岡 秀樹
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抄録
我々は新規なSOFC用電解質としてランタンシリケート系材料に着目している。本材料は中山らにより見出された酸化物イオン導電性セラミックスであるが、イオン移動の活性化エネルギーが低いという特長を持ち、SOFCの低温作動化(中温作動燃料電池の実現)において有望と考えられる。報告されたイオン導電率は決して高い値ではなかったが、我々は以下のアプローチにより導電性の改善に近年成功した:即ち、緻密性向上、過剰ランタンの導入、ならびにSiサイトへのわずかなカチオンドーピングによってである。以上により、800度において約0.07 Scm-1と、酸化物イオン導電性の最も高い材料であるランタンガレート系材料にかなり近い値をとる材料の開発に成功した。さらに本材料がイオン輸率がほぼ1である、水素下、二酸化炭素下でも安定して存在できる、燃料電池作動が可能である(800度において約0.25 Wcm-2を達成)ことを明らかにしてきた。しかし本格的な燃料電池への適用の為には、作動時のアノード雰囲気である高水蒸気分圧、低酸素分圧下での安定性、特に材料からのSiOとしての揮発について詳細に検討しなければならない。本研究ではラマン分光法、ならびにXPSを用いて表面における材料の組成変動について研究し、ある種のドーパントが組成変動を抑制する事実を確かめた。
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©  日本セラミックス協会 2008
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