抄録
本研究では代表的な蛍光発行体でありバイオマーカーなどへの応用が期待されている硫化亜鉛(ZnS)ナノ粒子の新しい液相合成法について検討を行った。水溶液中で合成したZnSのゲル状沈殿をエチレングリコール溶液中で解膠する非常に簡便な手法によるZnSナノ粒子の安定な分散ゾルの調製法とその分散メカニズムについて検討を行った。水溶液中で硝酸亜鉛と硫化ナトリウムの沈殿により調製したZnSのゲル状沈殿をエチレングリコールに分散し55℃以上の温度で24h静置することにより非常に安定なZnSナノ粒子分散ゾルを得ることができた。また、静置温度により粒径の制御が可能であることが明らかとなった。