抄録
CO2吸収材であるリチウムシリケート(Li4SiO4)に関する既報の文献からLi4SiO4のCO2吸収反応の速度はLi4SiO4粒子の表面状態の変化に依存するという事が示唆されている。そこで本研究では温度・雰囲気の制御が可能な高温レーザー顕微鏡を用いて,CO2吸収中のLi4SiO4粒子表面のその場観察を行い,反応機構の解明を試みた。この際,従来の固相法合成により得られるLi4SiO4では粒子が小さく観察が困難であるため,錯体重合法を用いて合成を行い,十分に粒子径の大きなLi4SiO4試料を得た。さらに,この試料を用いたCO2吸収反応の観察によって,620~700℃のCO2吸収速度が急上昇する温度領域においてLi4SiO4の粒子表面に明らかな変化が現れるということが確認された。