抄録
本研究は新規ガロチタノガレート型複合酸化物KxGa8Ga8+xSn16-xO56の合成および固溶領域の調査を目的とし、並行して構造精密化を行うための単結晶育成条件の検討を行った。固相合成では単一相領域は1.2<x<1.5の範囲で得られ、1.3<x<1.5でxの増加に伴い、a軸、c軸共に収縮した。この結果は主にGa3+(六配位:6.20×10-2 nm)とSn4+(六配位:6.90×10-2 nm)のイオン半径に寄与すると考えられる。しかし、x=1.2において異なる挙動を示した。これはKx[Ga8-ySny][Ga8+x+ySn16-x-y]O56のような新しい化学式を検討する必要がある。単結晶育成においては、フラックス徐冷法を用い単結晶育成を行い、当該構造を有する針状単結晶を含む集合体が得られた。