抄録
15GPa, 1000℃の超高圧高温条件において、異常高原子価Fe4+を含む新規ペロブスカイト酸化物SrCu3Fe4O12の合成に成功した。80-450Kの温度範囲において結晶構造の温度依存性を調べたところ、最大で-2.26×10-5 K-1の線膨張係数を持つ非常に大きな負の熱膨張を示すことが分かった。結晶構造解析により、この巨大な負熱膨張は、Srサイトの異常に大きな結合原子価を、Cu-Feでのサイト間電荷移動によって解消することが起源となっていることが示唆された。これは従来知られている負熱膨張のメカニズムとは異なるものであり、異常高原子価Feイオンが他の遷移金属と組み合わされた結晶構造において生じる、特異な現象であると考えられる。