抄録
Lu2O3は高い密度と有効原子番号のためにシンチレータ材料の母結晶として有望である。しかし、高融点のため単結晶の育成は非常に困難である。近年、セラミックスでも高い透明度を得られるようになり、Lu2O3のデメリットの克服が可能となっている。本研究では放電プラズマ焼結によりEu:Lu2O3透明セラミックスの作製を行った。また、同じ希土類セスキオキサイドであるY2O3にEuを添加した透明セラミックスも作製し、特性を評価した。Eu:Lu2O3、Eu:Y2O3ともに透光性を有するサンプルが作製できた。その透過率は発光波長において、それぞれ44%、24%であった。ラジオルミネッセンスのスペクトルではEu3+の4f-4f遷移に伴う強い発光ピークが観察された。