抄録
繊維状アルミナ粒子により形成されるアルミナ自立膜には,粒子間に1nm前後のナノ細孔が存在する。故に透明,柔軟な性質の他,高い比表面積を有する特徴も持つ。この細孔にシッフ塩基分子を導入し,この分子の構造から期待される遷移金属イオンの配位結合と紫外励起発光の相関を調べた。その結果,亜鉛イオン水溶液への自立膜の液浸では,発光強度が10倍程度増大した。結晶相のシッフ塩基分子では極端な発光増大は生じない。また,この発光増大は10μM程度の低イオン濃度でも顕著に生じ,非常に高感度である。このような発光特性の大幅な改善はハイブリッド型の膜材料にしたことによるものであり,水溶液に分散した遷移金属イオンの検知法としての応用が期待される。