抄録
VESTAは結晶構造と電子・散乱長(核)密度などのボリュームデータの三次元可視化システムである。次世代バージョンであるVESTA 3では基本設計を大幅に拡張し、数多くの新機能を追加した.新機能の中でもとりわけ重要なのが,複数の結晶構造および電子・核密度などを同一画面上で統一的に扱う機能である.この機能により,固体表面への吸着,原子・原子団・分子同士の反応・結合,多孔体や層状・トンネル状化合物へのゲストの取り込み,複合結晶などが取り扱えるようになった.また,結晶外形の描画機能を追加した結果,結晶のマクロな外形と原子レベルでの表面構造を対比できるようになった.