抄録
植物資源(バイオマス)を原料とする燃料用バイオアルコー
ルは,石油代替エネルギーとして注目され,今後もさらに世界各国
で生産量を増加させる計画が進められている。酵母による発酵法で
は,濃度4~10 重量%のアルコールが得られるが,車載用燃料な
どとして利用する場合,エタノールを99.5 重量%程度にまで濃縮
する必要がある。現在のところ,バイオアルコールの濃縮には多量
の熱エネルギーを必要とする蒸溜法を用いており,少ないエネルギ
ーで高効率に水とアルコールを分離する技術の確立が強く求めら
れている1)。エタノールは水と任意の割合で混合するものの,アル
キル鎖のために疎水的な性質を有する。本研究では,液相ナノコー
ティング技術である交互積層(LBL)法を用いて,シリカ粒子の表面
に全フッ化スルホン酸高分子(Nafion)超薄膜をコーティングした疎
水性シリカ粒子を作製し,この粒子を利用した水⁄アルコールの高
速分離について検討している。ここでは,得られた疎水性シリカ粒
子表面へのエタノール吸着量およびアルコール分離特性などにつ
いて報告する。