抄録
近年、ゼオライトが示す特異な特性をより高度に利用する立場から、ゼオライトの膜化が注目されている。現在我々の研究グループは、バルク状ガラスを出発材として、ゼオライト膜の水熱合成を検討している。バルク状ガラスを出発材とした膜作製では、適当な組成からなるゲルを用いた場合と異なり、ゼオライト源となる元素が溶液中に徐々に供給されるといった比較的マイルドな条件下で膜形成が進行する。これまでに同手法を用いて、MFI型ゼオライト膜の作製を試み、b軸配向体の作製に成功している。ここでは、得られた膜の微細構造や相変化について報告するとともに、膜形成機構を考察する。