日本歯科医学教育学会雑誌
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Print ISSN : 0914-5133
研究報告
九州歯科大学における臨床推論にクラウド型クリッカーを用いた参加型授業の学生による評価
國領 真也中原 孝洋冨永 和宏吉岡 泉
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2016 年 32 巻 2 号 p. 78-83

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抄録

抄録 臨床推論は, 臨床的な問題解決のスキルを習得することである. われわれは臨床実習前に参加型授業として口腔外科症例における臨床推論の授業を行っている.

 今回臨床推論の授業で, クラウド型クリッカーを用いた5年次の臨床推論の参加型授業での学生の授業へのコメント記入状況と学生の満足度を調査した.

 クリッカーを使用した臨床推論の, ある1回の授業における記述式問題, 選択式問題それぞれの設問に対する発言者数を調査した. また, 臨床推論の授業終了時に, 授業の満足度に関する質問紙調査を実施した.

 発言者数調査では, 全設問で平均75.6%の学生が発言し, 選択式問題では89.7%, 記述式問題では61.5%の学生が解答し, 有意に選択式問題のほうを多く解答していた. クリッカーを使用した授業には興味や関心をもてたと答えた学生は96.5%であり, この授業を全体的に満足していると答えた学生は97.6%であった.

 臨床推論にクリッカーを用いた参加型授業は, 学生の参加意識が高まり, 質問紙調査の結果からも, 学生の満足度の高いものとなった.

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