抄録
一酸化コバルト(CoO)は一次元形状に変化させることで,触媒やガスセンサーとして応用できることが報告されている。一次元形状CoOは,水熱合成法あるいはゾルゲル法によって作製されているが,その合成法や物性においてはさまざまな課題が残されている。フラックス法は高品質な結晶を育成でき,出発原料や温度条件により結晶組成や形状を制御できる。本研究ではフラックス法により,一次元形状CoO結晶を育成することを目的とした。フラックスにLiClおよびKClを用い,カーボン材料を添加することにより一次元形状CoO結晶の育成に成功した。またTEM観察にて,生成したCoO結晶は欠陥のない高品質な結晶であることがわかった。